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発達障害専門の児童精神科医が書いた本です。
先生方にも、親の方にもわかりやすい。
自閉症の人の世界を紹介しながら、
自閉症の特性に沿った支援を、
どうつくりだしていけばよいか、
その方法や工夫を具体的に紹介する。

2000円+税/A5判・192頁
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 著者より ○著者紹介 ○目 次

この本は、
自閉症の特性とは何か、私たちはそれをどのように理解し、
どのような支援を行なっていけばよいか、について解説したものです。

1:自閉症の特性を理解する
2:特性に沿って支援の方法を考える
3:医療・親さん・地域
の3部から構成されています。

私自身、大きな学びとなったTEACCHの考え方に触れつつ、
通園施設での支援の実際や、子どもを持つ親さんの世界についてもご紹介しています。
この本が、自閉症の理解を深めていただく一助となり、
彼らの〈笑顔〉が失われることのない世の中になっていくことを、心から願ってやみません。 
       

藤岡 宏(ふじおか ひろし)

現在:児童精神科医・つばさ発達クリニック院長

他に:よこはま発達クリニック顧問
   川崎医療福祉大学非常勤講師
   特別支援教育士スーパーヴァイザー
   日本自閉症協会研究部委員

略歴:1953年、生まれ
   九州大学医学部卒業
   福岡大学精神科、東京都立梅ケ丘病院で児童精神医学を研修
   愛媛で大人の精神科医療に携わる傍ら、児童精神科医療に関与
   仲町台発達障害診療所、よこはま発達クリニック勤務を経て
   2000年、愛媛県今治市に、自閉症を主対象とした、つばさ発達クリニックを開業

 

第1部 自閉症の特性を理解する

1章 コミュニケーションに関する特性
1 相手の意図がうまく汲み取れない
  2 相手に自分の意思をうまく伝えられない

2章 見え方・聞こえ方・感じ方に関する特性
1 自閉症の人の世界
   (1)秩序のない、混沌とした世界
   (2)〈どこから〉〈どこまで〉が、わかり
      にくい
   (3)いつまでも忘れられない
  2 感覚が鋭すぎる(逆に、鈍すぎる)
   (1)聴覚過敏
   (2)触覚過敏
   (3)味覚過敏
   (4)その他の感覚特性
  3 気づかれにくいさまざまな特性
   (1)ここというところに注意を向けるのが
      苦手
   (2)完成までの手順を頭に描くのが苦手
   (3)因果関係をとらえるのが苦手
   (4)ことばの裏を読むのが苦手
  4 〈特性理解〉の視点を持って支援を

3章 特性から見た〈視覚的手がかり〉の意味
1 耳からのことばを理解するのはむずかしい
  2 目で見て理解するのは得意
  3 自立的に行動できることの大切さ
  4 手がかりのない中で生きることを強いる
  5 思春期になって現われる問題

4章 自閉症と発達障害について
1 自閉症の3つの基本症状
   (1)社会性の障害
   (2)コミュニケーションの障害
   (3)こだわり
  2 自閉症と発達障害
   (1)高機能自閉症
   (2)アスペルガー症候群
   (3)AD/HD
   (4)「発達障害」という用語について
   (5)「自閉傾向」ということばについて
  3 診断は支援への橋渡し
  *子どもの行動にどう対処するか
    ― 答えを導き出すための道筋

 

 

*イラストは「ぼくの絵日記」の方が描きました。
*はやと君のお母さんのホームページで、
「ぼくの絵日記」がご覧になれます。
http://www.geocities.jp/ekotan1689/

第2部 特性に沿って支援の方法を考える

5章 受信を助けるための工夫
 1 場所で環境の意味を知る ―― 物理的構造化
  2 時間の見通しを持つ ―― スケジュール
  3 スケジュールのいろいろな工夫
  4 活動の流れと終わりを知る ―― ワークシステム
  5 見てすぐわかる ―― 視覚的構造化
  6 見てすぐわかる、いろいろな工夫
  7 〈構造化〉―― 二つの世界のかけ橋

6章 発信を助けるための工夫
 1 コミュニケーションは楽しい、と思えるように
   (1)コミュニケートしようとする“心”を育む
   (2)コミュニケーションの機会をつくる
   (3)楽に使いこなせる方法を身につけさせる
  2 確実に伝えられる方法を教える
   (1)カードを使うと、話しことばが伸びない
      のでは?
   (2)相手の注意を引く方法を教える
   (3)「ノー」を正当に表現する方法を教える
  3 コミュニケーションカードのいろいろ

7章 生活の中のコミュニケーション
 1 ことばを話せる子どものための工夫
  2 スケジュールを使って、卒園式の練習
  3 手順書を使って、ボウリングを楽しむ
  4 コミュニケーションの力をつけてくると
  *〈よく見られる誤解〉について考える

第3部 医療・親さん・地域

8章 親さんとの出会い、TEACCHとの出会い
  1 自閉症の人との出会い
  2 「土曜学級」で出会った親さんたち
  3 TEACCHから学んだこと
  4 発達クリニックの現場から

9章 医療の役割と療育との連携
  1 医療の役割
   (1)診断の意味
   (2)〈親の育て方のせいでなったのではない〉
      ことの確認
   (3)薬を飲む際のルール
   (4)検査
   (5)療育相談、カウンセリング、告知
   (6)福祉制度や地域資源、参考図書の紹介
  2 医療から療育へ
   (1)調査の方法
   (2)調査の結果
   (3)調査結果についての考察

10章 自閉症の子を持つ親さんの世界
 1 はやと君のお母さんの手記
  2 私たちが親さんと協働する時

11章 学校と地域への願い
  1 学校の先生方へのお願い
  2 素晴らしい校長先生たちとの出会い
  3 子どもと親さんにやさしい地域に
  *この本でお話してきたことを、まとめてみます